越中懐古 李白
(作者)蜀の人
太白(母が身ごもった時、太白星=金星が懐に入った夢を見たので太白という字(あざな)がついたと言う)、青蓮居士と号した。
絶句においては千古第一人者である。
◎越王の古城・会稽を訪れ往時を想って感慨にふけった時の作。
越王勾践 呉を破って帰る
義士 家に還って 尽(ことご)く錦衣(きんい)す
宮女 花の如く 春殿に満つ
只今 惟(ただ) 鷓鴣(しゃこ)の飛ぶ有り
臥薪嘗胆20年越王勾践は呉王夫差を破って故山に帰った
主のために尽くした将兵は恩賞の錦をまとって家に帰り
宮女は花のように春の宮殿に満ちた
おごれるものは久しからずたちまち楚の国に亡ぼされ今はただしゃこが淋しく飛んでいるだけだ
(鷓鴣(しゃこ))うづらより大型のキジ科の鳥
懐古詩は「稲叢懐古」「芳野懐古」やこの詩のように歴史の栄枯盛衰を短い詩型の中に歌い込んでいる。
李白はこの詩に関係した「蘇台覧古」も作っている。覧古(らんこ)とは古跡を尋ね昔を想うこと。


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