美しきスロベニアの体験(その3おわり)
ブレッド湖の先にあるボヒニ湖に着いて、終点で下車。降りたすぐ近くにどっしりとした2階建てのホテルがあった。青空に白い雲がわいて緑が美しく爽やかだ。湖を挟んで山が両側にせまって上高地のような雰囲気。トラブル続き、他を探すのも面倒でこのホテルに決めた。3つ星ホテル朝食込み44ユーロ「6160円、部屋の窓を通して青い空と山の緑を見てほっとした。
今来た道を引き返し、歩いて15分ほどで登山ケーブルの乗り場。標高500Mから1530Mまで一気に上がったら大分涼しくなった。冬はここから更に1800M地点までスキーのリフトが運転される。整備された登山道が3方に分かれ、湖を挟んで南と北に1800~2000M級の山が聳えて夏は登山客で賑うと。もう午後4時が過ぎて登山客はいない。山好きの私には、久しぶりの心地よい山の空気に触れた約2時間の散策は、すごく気分爽快だった。
下りはケーブル駅のレストランで一休み。ブレッド湖も見えて素晴らしい、ところがセンスのない音楽に興ざめ。美しい山の雰囲気に酔い、ロマンチックな気分に浸っていたのに、ムードを壊すこの音楽。これが今風か?もっと素敵な音楽がないのか。若い3人の女性が働いていたから彼女らの好みの曲なのだろう。
夜中に雨、朝は曇っていたが晴れて来た。ホテルの前に20本以上の各国の旗が掲げられていた。目を凝らして「日の丸」を探したが無かった。爽やかな湖畔、貸自転車を走らせた。観光客は殆どいない美しい静かな湖畔、青い水と緑の山、心が洗われる素晴らしい雰囲気。本当に爽やかな気分にさせてもらった。
ここでの問題は、またリューブリヤーナへ向かう帰りのバス。運転手に発車時刻を尋ねても返事をしない。忙しいからだろうか大して気にもしなかった。ところが終点に着いて全員下車の時、運転手は一人一人の客につぶやくように声を掛けていた「ありがとう」とでも言っているのだろうか。私の番になったらプイと横を向いて知らぬ顔。明らかに故意だ。人種偏見か?それにしても気分が良くない。
今迄バスではいやな思いをさせられた。郵便局を探しているとき日本語で声を掛けてくれた女性は大学の4年生、数年前に交換留学で2か月間日本に行ったことがあると、丘の上の城まで案内してもらった。ポストイナで泊まった民宿(朝食込み2500円)はとても親切にいろいろ教えてもらった。どこにも親切な人はいる。
アドリア海沿岸のクロアチアでは私に「チャイナ?」、「違う、日本人だ」と言っても反応がない。子供まで「チャイナ?」、更には「フイリッピン?」、宿探しを頼んだら「チャイナが宿を探している」など日本人に対して全く認識がない。日本人だと分かると急に友好的に変わったトルコとは180パーセント違う。日本車が走っていないし、店にも日本の商品が殆ど売られていなかった。
私が訪ねた時から既に15年も過ぎた。何とか元気にしているが一人旅をしたいという気持ちが湧いて来ない。最近は日本からツアーでも行けるようになった。日本人に対する認識もずいぶん変わっているのだろう。どのように変ったのだろうか、ぜひ知りたいと思うこの頃です。






